シアワセ∞経路
第15章 雨が上がったら
気持ちのいいくらいに晴れる日が多かった五月が終わり、梅雨の時期に入った。
今日の天気は晴れのち雨らしい。
家を出る前に折りたたみ傘をスクールバックに入れて学校へ向かった。
まだSHRが始まる前、隣の席の女子が頬杖をついて話しかけてきた。
「ねえ、ぼっちの小神さーん。うちの代わりに集めた化学のノートを今すぐ先生に出してきてよ。どうせ暇なんでしょ?ひとりなんだし」
明らかに今すぐ行けるのに、近くの席の子たちとくつろいでいた。
周りにいる女子たちと一緒に、くすくすと笑いながらこっちを見てくる。
「ごめんなさい。自習してるから」
「え…、なんなの?いつもは従ってるくせに。いきなり、優等生気取りでうざっ。佳菜美の言った通り性格悪いわー」
私の前の席に座っている佳菜美ちゃんもそれに反応してこっちを振り返った。
「でしょー?中学の時から性格悪いのよ、この子。あはは」
何を言われても聞こえない、聞こえない。
今までだってずっとそうしてきたから大丈夫。
そう暗示をかけてこの場を耐えた。
でも、流石に気持ち悪くなってお昼は何も食べられなかった。