『シアワセ∞経路』第15章「雨が上がったら」　279ページ

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シアワセ∞経路

第15章雨が上がったら

「そうやって、素直に感情をみせてくれるところも可愛いんだけど…」

「……っ！」

まさか、ソラから可愛いと言われる日が来るなんて思ってもいなかった。

不意打ちをくらって、自分の頬が熱くなっているのに気づく。

嬉しくて仕方がないのに、まともに顔を合わせられない。

照れを隠すために下を向いて、目線をそらしてしまっているまま話を続けた。

「どうして私が告白した時に、さっきのこと言ってくれなかったの…」

「……言いたくても言えなかったんだ。大事な二人に幸せになってもらいたかったから」

「それって……」

ソラにとって大事な人……。

すぐに誰なのか分かって、答えを確認したくて顔を上げる。

「風子と……分かるよね？」

眉を下げた顔でソラは私を見てくる。

その"大事な人”が思い浮かんだ人と一致しているのが表情から伝わった。

やっぱり、……颯太だ。