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シアワセ∞経路

第16章 あの日に戻れたら




その絵馬に書かれている内容を一度見て、もう一度また目にする。





"風子が幸せでいれますように”





後に書いてあった名前はソラのもので、日付は私が告白した日だった。







これをお願いするために、あの日にここに来ていたの……?





事実を知って、また昨日のように泣いてしまいそうなほど目の周りが熱くなった。





ソラの優しさに触れていると、こっちまで心が温かくなる。







「……ごめんなさい。いっぱい疑うようなこと言っちゃって……」







「いいよ。これからは、俺も風子を見習って伝えたいことはちゃんと言えるように努力するから」






私のどの辺に、ソラが学ぶべきところがあったんだろう。






思い返すと、我がまましか言っていないような気がする……。







恥ずかしくなってほかの絵馬に書いてある願いを見て話を逸らした。






「これ、10年間片思いしている△△と付き合えますようにだって。そんなに片思いでいられるのってすごいね!
あ!こっちなんか遠距離だった大好きな○○に絶対告白するとかロマンチックだね」





「よく見たらみんなそういう書き方してるのか……」






「告白する前に書く人が多いみたいだよね。さすが恋愛成就で有名な神社!」





「……そういう神社だったとは、知らなかった」





「知らないでお願いしてたの?」




「うん」




顔を見合わせて笑った。





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