シアワセ∞経路
第16章 あの日に戻れたら
目的の場所に着くまで、ソラは口を閉じたままだった。
私も何も話さず後ろを着いて行く。
少し距離を歩いて、連れてこられた場所は……よく見覚えのあるところだった。
またここに来るなんて、思ってもいなかった。
二か月前に願掛けをして、告白した場所である幸路神社に。
階段を登り切って、境内に飾ってあるたくさんの絵馬の前で立ち止まった。
幸路神社は恋愛成就で有名な神社で、絵馬に書いてある内容もほぼその願い事。
私が書いたものもまだあるんだろうな。
ここで、絵馬に書いて吊るした頃が懐かしくなる。
あの頃は、不安でいっぱいだった。
「こっちに来て」
「ん……?」
ようやくソラが口を開いて名前を呼んでくれて、私もそこへ向かう。
近づくと、吊るされている絵馬を一つだけ指さしてくれた。
――……これって……!