シアワセ∞経路
第16章 あの日に戻れたら
一体、どうしたんだろう……。
「……ソラ?」
不安になって顔を覗き込んで、しばらくすると目が合う。
「……風子、俺と付き合ってくれないかな…」
今なんて……。
あれ……、やっぱり……夢見てるのかな。
ソラは優しく微笑んだ顔で、私のことをまっすぐに見てくれる。
少し頬が赤くなっているようにも見えた。
昨日は好きと言われたけれど、その言葉を聞くことはなかった。
好きの二文字だけでも、嬉しくて嬉しくて十分だったのに。
中学生の頃にソラの居場所になって、いつの間にか好きになってからずっと思い続けてきた願い。
しかも、この場所は私がソラに告白したところ。
あの辛かった思い出の色が、一気に明るく塗りかえられた気がした。
本当に、片思いが終わる時がきたんだ……。
望んでいたことが叶う時が……。
力が抜けて、緩んでいた手のひらをギュッと握る。
――……だけど。