シアワセ∞経路
第18章 私とふたり
久しぶりにソラに勉強を教えてもらう日になった。
最近、忙しいみたいで会う日が点々としていた。
待ち合わせ場所で姿を見つけた時、笑顔でいっぱいになった。
「今日はよろしくお願いします」
「うん、頑張ろう」
いつも通り微笑んでくれるソラを見て安心する。
一呼吸置いて、伝えたくてたまらなかったことを言う。
「……先生から聞いたんだけど、私のために……ありがとう」
お礼を言うと、ソラは目を大きく開けて少し驚く。
だけど詳しいところまで言わなくても、何のことか分かってくれた。
「ああ……、バレちゃったか。あの先生、口が軽いな」
考える仕草をして、視線をずらすソラが面白くて思わず吹き出してしまった。
「あはは、口が硬そうな顔してる先生なのにね」
「人は見掛けによらないってやつか。……でもその様子だと何か行動してくれたんだな」
「うん、だからもう大丈夫だよ」