シアワセ∞経路
第19章 シアワセ
「なにか特別な話があったんじゃないかとか期待した?」
「べっ……、べつにそんなこと思ってないから!ただ、小学生らしい考えだなって……」
「ははっ。残念だけど、あの頃はそういうものだよ。でも、今はネックレスを渡した自分を褒めたいくらいだよ」
小学生の頃は、身長が私と同じくらいだったのに抜かされて。
それに、女の子から視線を奪うくらいカッコよくなって。
今では私に色んなことを教えて、助けてくれるくらい頼りになって。
ひとつだけ歳が違うだけなのに……。
……私もこの人を支えてあげられるくらいになれるように、頑張って追いつかないと。
隣で優しく微笑んでくれるソラを見て思った。
彼女として隣にいれるようになる日が来るのは、もうすぐだから――。
自然にこぼれる笑顔を私も彼に向けた。