シアワセ∞経路
第19章 シアワセ
二つ目のボタンまで外されている白いシャツからこっそりと隠れるネックレスの存在に気付く。
私があげたネックレス、つけてくれてたんだ……。
ゆっくりと喜びに浸っている暇もなく、おでこにソラの唇が優しく触れる。
「……今はここまでにしておくから」
その低い声が耳に心地よく響いて、おさえきれそうにないほど胸がいっぱいになる。
熱を帯びた顔の温度もなかなか下がらなくて。
こんなにも温かくなれる時間が私の人生にもあるなんて思っていなかった。
「わたし、ここにいていいんだよね」
そう小さく呟くと、ソラが首を縦に振って答えてくれた。
「風子の居場所は、ここにあるよ」
どんなにつらくても、幸せになれる道があるってことを知った。
それは自分次第で変えることができるって。
まだ見えない未来にも幸せがあると信じて、今を歩くことにした。
この大好きな居場所と共に。
** E N D **