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シアワセ∞経路

第20章 After Story





――――…………



あれから数日が経った。



「今日はカップケーキ作ってきたんだよ」



昨晩作ったバニラ味とチョコ味のカップケーキを手渡す。


ふっくらと焼けていて、見た目は問題ない。

我ながら上手くできたと思う。




「ありがとう。あまり無理しなくていいのに」




学校帰りに、いつものように公園でソラと待ち合わせして会っていた。




「これは、この前に勉強教えてもらったお礼だから気にせず受け取ってください。本当はもっと有名なお菓子買ってあげたかったけど……」




「手作りの方が嬉しいかな。この前のクッキーも美味しかったし。どんどん、お菓子作り上達しててすごいな」




「ほっ……ほんと!?」




「うん。また作って欲しいなーなんて」



「もちろん!」




褒められて笑顔がこぼれる。




お菓子なんて作ろうと思うのはバレンタインの時だけで。



作っても、恥ずかしくてパパにあげるだけ。



でも、今はソラのために作るのが楽しくてたまらない。




「そういえば、最近勉強教えてないけれどもう大丈夫なのか?」



「うん。もう終わったから」




二日前に転入試験を無事に終えて、勉強という名の荷が下りた。




あとは、合否を待つだけ。


上手くいくと、夏休みが明けた頃に転校できる。



そこは、男子高校だったけれど今年から共学になった。



ソラと同じ高校に……――


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