シアワセ∞経路
第20章 After Story
本当に入りたかった高校は東高だった。
知ってる人がいるからというのもあるけど校風が良かったから。
いじめがないという噂を聞いて気になっていた。
「明後日から夏休みなんだけど、ソラのとこはいつから?」
「こっちも同じ」
「夏休みは部活で忙しい?」
「いや、部活はしてないから」
「部活に入らないの?」
「生徒会に入ってるから今のところ入るつもりないよ」
「へえ……」
忙しそうな日もあるなと思いきや、バイトじゃなくて生徒会に入っていたなんて。
ソラも頑張ってるんだなあ……。
もっと自分のこと話して欲しいけれど、ソラはそういう性格じゃない。
だから、また新たな発見ができて嬉しいと思う。
彼女になるために、どんどん知っていかないと。
今は、前向きにそう思う。
「それより、夏休みどこかに行かない?……少し遠いところにでもさ。……勉強頑張ったご褒美にでも」
デートの誘いを優しく微笑んで言ってくれた。
でも、照れているのか耳が少し赤くなっている。
かっ……、可愛い……。
女嫌いだし、きっとデートに誘い慣れてないんだろうな。
そんなところも好きなんだけど。