シアワセ∞経路
第5章 共力者
中学校へと向かう道を歩いていた時に、ポケットに入れていた携帯電話のバイブレーションが鳴った。
それは占いアプリの通知だった。
『今日の双子座は12位。悩み事が解決せずイライラしそう。ラッキーアイテムはオーブントースター』
思わず険しい顔で立ち止まって見てしまう。
自分の星座が最下位で朝からテンションが下がる。
「どうした?」
「ラッキーアイテムが、オーブントースターだったんだけど、忘れちゃった……」
「調理実習でいるのかそれ……。持っていくのおかしいから」
「ですよね……。あっ…、ソラは何座?今日の占い見てあげる。だから教えてほしいな」
「いいよ、見なくて」
せっかく会話のネタになると思ったのに。
占いには興味がないみたいだから仕方ないけど、星座くらい知りたかったな。
小さい頃に一緒に遊んではいたけれど、誕生日すら知らない。
まだ知らないことがたくさんある。
「……牡牛座」
しょんぼりしている私を見兼ねてなのか、ソラがそう言って止めていた足を進める。
今日の牡牛座の運勢を見てみると、3位だった。
『恋愛運がとてもいい日。理想の相手と出会えるかも』
「……」
私はこの結果を見て見ぬふりをして、携帯電話をポケットの中に戻した。
先を行くソラに追いついて、当たり障りのない話に切り替えた。