
涙涙涙
第2章 第一章 Nukumori.
「弥生先輩、彼氏と最近
うまくいってますかー?」
唐突な質問。
女の子はこういう人の恋愛話を
無性に聞きたがる生き物だ。
「特に何もないかな。」
仮に何かあったとしても
同じ返答をする。
他の人に話したところで
何か解決する訳でもない。
所詮、自分との葛藤。
「最近、彼氏さん職場こないですよね?
喧嘩でもしたのかと思いました。」
宏樹が勝手に職場遊びにきたり
仕事休みのときに、宏樹と二人で
お店にきた事もあって絵里も
宏樹の顔は知っている。
確かに職場には来なくなったが
仕事も忙しいし疲れているのもある。
大して気にはしていなかった。
「お待たせしました。
アイスコーヒーです。」
カフェの店員がわたしの前に
アイスコーヒーを置いて
お辞儀して仕事へ戻っていった。
ブラックコーヒーの匂いは
わたしをいつも落ち着かせる。
漆黒の闇。苦い味。
そう。わたしはブラックコーヒーと
なにも変わりないのだ。
