
恋愛short story
第3章 ※ 消毒
「何だ?さっきから俺の顔ジロジロと見てるが…気が散る」
「見てないもん。邪魔だってしてないし〜」
そりゃ、ちょっとは見てたけど
何もそこまで
言わなくたっていいじゃない。
「見てるだろーが。バカそうな顔をして口が半開きになってるぞ。」
怜の私を見る眼差しは
明らかに呆れている…
ゔぐっ!
私ったらそんな顔して…
「ったく。しょうがねぇーなぁ。出かけるぞ! 」
怜は徐に読んでいた雑誌を
閉じて椅子から立ち上がり
ニヤリと笑っている。
「ほら、早くしろ!このままお前にずっと見られているのより出かけた方がマシだからな。 」
「えっ?どこに行くの? 」
状況が読めず驚いて
怜の顔を覗き込むと
大きな手のひらでポンポンと
私の頭を叩きながら
プイッと顔を逸した。
その横顔は耳まで
紅く染まっているようで。
「うるせぇ。お前の行きたいところ
だ。」
と、ボソっと呟いたのが聴こえた。
