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恋愛short story

第3章 ※ 消毒


帰り道ーーー






「千影…。どうするんだ?この荷物。どう考えたって買い過ぎだッ!このバカ!」






「だっていっぱい欲しい物があったからつい…。エヘヘ…。」







「エヘヘじゃねぇ。ちっ、こんなことなら車で来れば良かったな。」








「大丈夫だよ。心配しないで持って帰れるって。」






怜に両手いっぱいの荷物を

ガサッと持ち上げてみせた。

すると目の前にスッと

沢山の荷物がぶら下がった手が

差し出される。







「ほら、もう少し持ってやるから、それ…かせ。」






自然と弓なりになる私の目。





怜のそういう優しさに

キュンってしちゃうんだよね。

怜の大きな手と繋ぐこと

腕に包まれて胸板に

顔をくっつけて

怜の温かさを感じること

何度も交わす熱いキスにも

もちろん、キュンってするけれど…

こういう帰りの電車を待つ

ほんの短い時間は

日常で怜の優しさを感じて

幸せだなぁ〜って想うんだよ?






知ってるんだよ?

怜が本当は優しいんだってこと。

私に精一杯の愛情を

注いでくれていること。

口が悪かったり、

無愛想だったり。

それは優しさを

隠している証拠だってこともね…

不器用な愛情だけど、

十分に伝わっているから。








「ありがとう。」





差し出された怜の手に

温かい優しさを感じながら

荷物を受け渡した。


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