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恋愛short story

第3章 ※ 消毒


両手にいっぱいの荷物を抱えた

私たちの前に電車が

滑りこんで来る。

乗り込もうとして

開いたドアに私は目を丸くした。






えっ!?


最悪だぁぁー!

乗る前に満員電車だなんて…

これは、ぎゅうぎゅう詰め覚悟だね。







「怜、次の電車待った方が…」







言い終わる前に横にいた怜は

スタスタと歩き出す。

仕方なく後を追うが

背後から電車に

乗り込もうとする人混みに

押され私と怜は

離れ離れになってしまった。








痛ったたた…

この態勢、背中吊りそう…

アレ?

怜はどこにいるんだろう?

でも…

まっ、前が…みっ…見えない…。

もぅー!!

背が小さいってイヤになっちゃう。






周りを見渡すと

背の高い人たちに囲まれている。

ヒョコヒョコと人の隙間から

顔を出すが背の低い私は

人混みに埋れてしまう。

おまけに手荷物が

邪魔をして思うように

身動きができない。

やっとのことで隙間から

怜を見つけ出すことに成功した。





あっ!!

あんなところに居た!





その瞬間…





ゾワッとした感覚が

私の全身に走った。

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