
恋愛short story
第3章 ※ 消毒
男はナカから
指を抜き出し
私に見せつけるかのように
ワザとで二本の指を拡げた。
「イッちゃたね…。潮でも噴いたのかな?」
指と指の間から
銀色の糸が糸を引いた。
「さてと、そろそろ俺も楽しませてもらわなきゃね。」
私のお尻に生暖かい
硬くなった男のモノが触れる。
とろりと先端から
少し粘っこく溢れている。
男はそのままグリグリと
押し付けてきた。
伶……
私、このままこの人に…
汚されちゃうよ。
もう、伶の顔も見れないんだ。
一緒にもいられない…
ごめんなさい…。
伶へ顔向け出来ないこと
見ず知らずの人に
犯されてしまうことを
考えると
悲して…
悔しくてーーー
ポロポロと
頬をつたって
涙が溢れてくる。
「もしかして泣いてるの?それとも嬉し泣き?身体はヒクついてたしね。彼氏を見ながらだと余計に感度上がっちゃったとか?」
もうダメだと思い、
涙を堪えた瞬間、
「テメェ、その汚ねぇモノをさっさと千影からどかせろッ!!」
低く怒りを込めた声が
聴こえてきた。
その声は聴き慣れた
伶の声だった。
「伶っ!!」
振り返るとそこには
ワナワナと鬼の形相で
怒鳴り散らす伶の姿。
男の左頬に一発、
鈍い音が響いた。
伶が殴った拍子に男は
よろけ倒れてしまった。
何が起きたのか
電車内の乗客がざわめき出す。
「千影!!大丈夫か?降りるぞ。」
「うっ…うん…。」
伶は私の手首を掴む。
慌てて、ずり下がった下着を直し、
開いたドアに向かって
伶に引っ張られるようにして
電車を降りた。
