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恋愛short story

第3章 ※ 消毒


憂鬱のまま部屋に帰ってきた。






きっとこの後

別れ話にでもなるのかな?

伶は怒って口も

聞いてくれないんだ。




そんな事を考えていると

伶はまだ掴んだ手首を

グイグイと引っ張り寝室まで

私を連れて来た。





「痛ッ…伶、痛いよ!」





ずっと掴まれたままの

手首は赤くなっていた。

すると伶は掴んだ手首を

さらに引っ張り

私をベッドへ放り出した。




ドサッと倒れ

布団へ顔が埋れる。

ガサガサと手荷物が

乱雑に置かれる音がしたので

起き上がろうとしたが

両手首をベッドに

縫い付けられてしまった。

目の前には

覆い被さった伶がいる。

今にも鼻先が

くっつきそうなくらいに

切れ長で少し垂れ目がちな目と

カチあった。








「つくづく世話の焼ける女だな…」







伶は私を見下ろしながら

一言呟くと唇で私の口を

噛み付くように

荒々しく塞いだ。






「んっーーハァ…っふぅ…」







口内で逃げ惑う私の舌は

幾度となく伶の舌に

絡まり捕まる。

息継ぎをしようと

顔を横に逸らそうとすれば

更に深く塞がれ

伶の手首を掴む力が

強くなっていった。

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