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恋愛short story

第4章 介抱


パクパクお菓子を

頬張る私を見ながら

永本はニコリと笑っている。





「なっ!永本くん、何で笑う?可笑しい?」






「フフッ。心美は美味そうに食うなぁって思って。」






「もぅ心美って呼ばないで!」






「いいじゃん?減るもんじゃないし同じゼミ仲間だしさっ。心美も俺のこと永本じゃなくて淳って呼んで。じゃぁ俺先帰るわ」






えっ?

もう帰っちゃうの?






「永本くん、お菓子ありがとー!」






ポンっと肩を叩き

永本は背を向けて帰宅して行った。





ハァ…

また一人だぁ。

だけどこのレポートも

明日で終わる!

頑張って仕上げなきゃっ!

でも…

その前に永本くんが

持って来てくれた

バームクーヘン美味しいっ!

もぅ一口食べて頑張ろっと。




いただきまぁーーす!!

あーーーん!

う〜ん。

やっぱり、美味しぃいいー!






「うわぁ〜大きい口だね〜」




えっ?





くぐもった低い声に

驚き顔を上げると

そこには憧れの先輩が立っていた。






せっ…先輩ッ!?







「んぐっ!るっ…塁先輩。こっ…これは、その…コホッ…」






クククッと笑いを

堪えている先輩。






見られた!

大口開けてガッついてるの…

塁先輩に見られたぁああー!

一番見られたくなかったのに…

うわぁあーん。






恥ずかしさで

顔が熱くなってしまい

思わず喉に詰まらせて

咳こんでしまった。

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