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第4章 介抱
えっ?
先輩っ??
驚いて横にいる先輩の顔を
見るが先輩は平然としている。
「んっ?雪平、飲んでないね?何か頼もうか?」
あっ、ぁの…
そうじゃなくて…手っ…
先輩、手がぁああー!
「うっ…。じゃぁ同じモノを」
しかし、離してては言えずに
そのままお酒を
注文するだけだった。
こうなったらお酒の力を
借りるしかない!
そうすれば、このドキドキも
先輩のことも考えないで
少しは落ちつくかも!
緊張をほぐす為、
ゴクゴクと次々に
酒を飲み干す。
「心美〜飲み過ぎじゃねーの?顔さっきから紅いし。大丈夫かぁ?」
だって、それは先輩が……
手離してくれないから。
お酒で紛らわすしか
ないんだもん。
ずっとさっきから全身が
カァーって熱くなってる。
胸の鼓動も鳴り止まないし。
先輩に手を繋がれているから?
それともお酒のせいなの?
「らぃじょーぶ!!」
永本に大丈夫とは
言ったものの頭の芯は
溶けるようにほわんとしている。
何だか眠たくなっちゃった……
「ぉいっ!心美〜こんなところで寝るなっ!」
ぅ〜ん。
解ってるんだけど…
眠いんだなぁ、永本くん。
永本の声が耳から
少しずつ遠退いていく。
ガクッと頭が落ち
そのままテーブルに
突っ伏してしまった。
