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第4章 介抱
へっ?
それって…
どぅいう意味なの先輩?
向き合っていたはずの
先輩の顔は
私の耳の傍へと移動する。
指先でクルクルと
私の髪を絡ませながら
優しく撫でる先輩。
先輩の大きな手……
塁先輩に撫でられてる…
先輩は耳のすぐ傍で
フゥーッと息を
吹きかけながら私に言った。
「ねぇ、俺と今二人きりって解ってる?」
ゾクッと身震いを感じてしまう。
塁先輩の吐息が……
塁先輩の匂いが……
塁先輩の声が……
はぅう……。
そうだった!
今、私は先輩の部屋で
二人きりなんだ!
そんな事言われたら
余計に意識しちゃうよ!
これって…
まさか夢じゃないよね?
あまりにバクバクと鳴る心音で
緊張し過ぎて声が出ない。
「もうちょっと傍で心美の寝顔見てたかったな〜」
「なっ!!」
ねっ…寝顔っ!?
寝顔見られたの?
口開けて寝ていたら最悪だっ!
クスクス笑っている先輩は
私をからかっているようにしか
見えない。
