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ぎゅっと強く抱き締めて

第1章  学校生活


 平賀くんは立ち上がり私に近づいてくる。

 ダメ。

 震えが。

 止まらないよ。

 「……お願いだから近づかないでください!」

 涙ごもりながらそう伝える。

 だけど平賀くんとの距離はさらに縮まって。

 不意に抱きつかれる。

 何故だか涙がポロポロと流れ震えが止まった。

 暖かい。

 「は……離れて……ください」

 体に力が入らない。

 ぎゅっと強く抱き締められて離れてられない。

 ダメ。

 お願いだから離れて!

 「スースー」

 私に抱きついたまま平賀くんは眠っていた。

 「!」

 一体なんなの?

 私は緩くなったすきに平賀くんから離れて自分の体を抱き締める。

 暖かった。

 怖かったはずなのに。

 もしかしたらもう男性が怖くないのかな?

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