
私と魔界の駐在さん
第2章 丘の上のお屋敷
「あ、すみませ――」
振り向いて、言葉が止まる。
目の前にはこのお屋敷にぴったりの細面の男の人が立っていた。
どこの国の人だろう。
白に近い銀髪に透きとおるような青い目。血が通っていないような肌が印象的で――
「私の顔になにかついていますか?」
「い、いえっ!すみません!」
ダ、ダメダメッ。
これじゃ完全に不審者になってしまう。
「あの、ええと私、鈴原深雪といいます。あ、申します。こちらに住ませていただくことになったんですけど……」
「ああ、ではやはりあなたが鈴原さんなのですね」
「え?」
「初めまして。私はこの月光荘を管理しておりますヤケイと申します」
