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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

「笑わなくて、いいよ」

辛かった。
妹尾さんの笑顔を見て、辛くなるのははじめてだった。

「えへっ……ごめん……ごめんねっ……ううっ……うわぁぁあっ!!」

妹尾さんが僕の胸に顔を押し付けて声をあげて泣いた。

泣いている妹尾さんは凄く熱くなっていて、押し付けれた僕の胸も熱くなる。

妹尾さんはしゃくりあげながら呼吸を乱してひたすら泣いていた。

はじめて感じた妹尾さんの体温が、悲しみの熱というのがなんか辛かった。

僕は泣き止むまでずっと妹尾さんの頭を撫でてやった。


「ごめんね……泣いたら落ち着いた」

しばらく泣いた妹尾さんは落ち着きを取り戻し、いつものようにとまではいかないものの笑顔が戻っていた。

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