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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

「なんで急に別れるなんて言ったんだ?」

部屋に入っても興奮冷めやらぬ僕は剛史を問い詰めた。

「それはっ……てか、お前、誰なの?」

「僕は妹尾さんの……友達だ。それよりなんで!?」

僕の隣で妹尾さんは両手を小さく合わせて目で剛史に謝っていた。
おかしな奴連れてきてごめん、と言うように。

「俺は……柔道をやっている。三歳の頃からだ……」

「それがどうしたっ?」

僕だって三歳の頃から絵を描いているっ!!

「最近、急に勝てなくなったんだ……急激に弱くなっている……」

「そ、それが妹尾さんのせいだって言うのか!!」

吠える僕の脇で妹尾さんは気まずそうに座っていた。

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