僕は絵しか描けない
第8章 コンテストの結果
とはいえ今のような僕の天敵、馬場さんと二人きりの時は気まずさこの上ない。
馬場さんは僕に一瞥もくれず、キャンバスに向かっていた。
この間描いていた炎のように揺らぐカテドラルは青色を基調に塗られていた。
鮮やかな青や、白っぽい青など多彩な青が使われている。
「素敵な絵だね……」
思ったままの言葉が口から出た。
馬場さんは面倒くさそうに振り返って「ふん」と鼻で笑った。
「黒沢ごときに理解できる絵なら大したことないんだろうな、この絵も」
喧嘩腰というよりは喧嘩そのものの口調で吐き捨てるように言われた。
「いつだって僕は馬場さんの絵がすごいって思ってるよ……」
しかし僕は喧嘩を買わず、むしろ褒めた。
はじめて馬場さんに本心を伝えた。
馬場さんは僕に一瞥もくれず、キャンバスに向かっていた。
この間描いていた炎のように揺らぐカテドラルは青色を基調に塗られていた。
鮮やかな青や、白っぽい青など多彩な青が使われている。
「素敵な絵だね……」
思ったままの言葉が口から出た。
馬場さんは面倒くさそうに振り返って「ふん」と鼻で笑った。
「黒沢ごときに理解できる絵なら大したことないんだろうな、この絵も」
喧嘩腰というよりは喧嘩そのものの口調で吐き捨てるように言われた。
「いつだって僕は馬場さんの絵がすごいって思ってるよ……」
しかし僕は喧嘩を買わず、むしろ褒めた。
はじめて馬場さんに本心を伝えた。