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僕は絵しか描けない

第1章 似顔絵

「えっ!? 来る途中に説明したの、聞いてなかったの?」

むしろ驚いたように聞き返される。

「あははっ!! なんかボーッとしてそうだもんな、黒沢って!!」

初対面で呼び捨ては慣れていたが、無個性発言のせいか、詩子さんに言われると不快だった。

「あたしの原作の漫画に作画して欲しいって話。まあ、話がオリジナリティあるから絵は無個性でも構わないし」

ずけずけと言う個性派過ぎ女に言い返せないのは情けない僕の基本スペックだ。

けど。

「お断りします」

言い返さないけど勇気を振り絞って断ってやった。

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