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僕は絵しか描けない

第1章 似顔絵

「なんで?」

詩子さんは全く怯まず、不思議そうに首をかしげて聞いてきた。

この自分勝手で他人の意思を無視した態度が個性的すぎる人種の特徴だ。
これが苦手なんだよな。

「なんでって……」

「無個性って言われたから?」

「そういうデリカシーのない人と共同作業なんて出来ないと思ったからです」

自分でも驚くくらい辛辣な言葉が口から出て驚いた。

「へぇ……デリカシーの固まりみたいだもんね、黒沢って」

「やめなよ、詩子。ごめんね、黒沢君」

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