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僕は絵しか描けない

第1章 似顔絵

「無個性でいいじゃない。黒沢慎二。名前からして無個性だし。あたしなんて丹羽詩子よ、にわうたこ。詩子って何よ。おばあちゃんかって話」

詩子さんは笑いながら自分の名前を自虐した。

「仕方ないじゃん。個性的か無個性かなんて。黒沢の絵は個性がないけど、だからこそ私の個性的なストーリーが合うのよ」

「どういう意味……?」

「個性的なストーリーで個性的な絵だったらよっぽどハマる人以外受け付けないでしょ。だからあんたの無地のような万人受けする絵が必要なの」

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