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僕は絵しか描けない

第9章 ダブルデート!?

「ほら、ボケッとしてないで食べなって」

焼き上がった肉を詩子さんが僕の皿の上に乗せてくる。

「いいよ。自分で食べなよ、詩子さん」

「クロはなよってしてて頼りないんだからしっかり食べて逞しくなりなよ。剛史を少しは見習えってっ」

笑いながら詩子さんは僕の皿に肉を皿に追加する。

なよっとしてるとか剛史を見習えとか妹尾さんの前で言われてカチンと来る。

「いいからっ!! ほっといてよ!」

思わず声を荒げてしまい三人は驚いた顔をする。

「……ごちそうさま」

気まずい空気になると逃げるのが僕の癖だ。

皿と箸を置き、ふらふらと森の方へと逃げ去った。

なにもかも、面白くなかった。

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