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僕は絵しか描けない

第9章 ダブルデート!?

拗ねたら誰かが機嫌をとってくれる。

面倒臭い僕の性格にはそんな考えが根付いてしまっていた。

子供の頃ならそれでも通る。
母親なり、先生なり、友達が拗ねた子の機嫌を取りに来てくれる。

でも成長するにつれ、そんなことはなくなる。

それでも僕はその面倒臭い体質が抜けきっていない。

誰かが来てくれることを想定しながら川沿いを歩いた。

でも誰も追っては来なかった。

誰も来なければ来ないでいい。

もっと拗ねていじけられるから。

惨めで哀れな境遇の自分を慰めてやることは意外と悪くない。

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