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僕は絵しか描けない

第10章 ファーストキス

朝日がカーテンの隙間から射し込んでくる頃、詩子さんは目覚めた。

「えっ!? ク、クロまさか徹夜したの!?」

「おはよう、詩子さん。なんだかいつになく筆が滑るんで夢中になって徹夜しちゃった」

「クロの癖にカッコいいこと言うじゃん、クロの癖に」

二回もクロの癖にと言われて吹き出してしまう。
笑われたことで詩子さんは照れ臭そうに笑った。

詩子さんはそのままシャワーを浴びに行き、そのあとに僕もシャワーを浴びた。

詩子さんが使ったあとの残り香がするシャワールームは恥ずかしいことに僕をぎんぎんに勃起させてしまった。

そして昨日のことを思い出す。
寝ている詩子さんを騙し討ちするようにしてしまったキスは、もちろん僕のファーストキスだった。

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