テキストサイズ

僕は絵しか描けない

第11章 僕たちの絆

本屋はどこでもいいと思ったが、詩子さんははじめて月刊GANGを購入した地元の本屋がいいと主張した。

もちろん僕は詩子さんの意思に従った。

そんなわけで僕らは寂れた本屋のシャッターが開くのを寒空の下で待っていた。

九時になるとシャッターを開けに店主がやって来て、並んでる僕らを見てぎょっとする。

そりゃそうだよね……

どんな話題の本の発売日だって話だよ……

詩子さんはシャッターが開くと駆け込んでいき、目当てのGANGを手にとってレジを済ませた。

はやる気持ちを押さえながら僕らは近所の公園に移動した。

果たして今回は大賞を獲れたのであろうか?

期待と不安で鼓動が早打ちしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ