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僕は絵しか描けない

第11章 僕たちの絆

「なによ? クロ、どこ行くの?」

「どこって決まってるだろ。次の作品、描きにいくんだよ」

「クロ……うんっ!! そうだよねっ! 次だ、次っ!!」

すぐに笑顔が戻り、いつもの詩子さんらしさが出てきた。

それでこそ詩子さんだ。

わがままで、自分勝手で、強気で、独創的で、猫みたいに自由な詩子さんだ。

僕らは取り敢えず詩子さんの家に向かった。

実は今まで詩子さんの家には行ったことがなかった。

女の子の家に上がるなんて僕には敷居が高すぎるし、詩子さんからも誘われたことがなかった。

はじめてのことに緊張が解けないうちに詩子さんの家へと到着した。

「って……ここ!?」

驚いた。

詩子さんの家は大豪邸だったのだ。

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