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僕は絵しか描けない

第11章 僕たちの絆

「クロの癖にとか、もううんざりなんだよっ!! 僕は漫画なんて描きたくなかったっ!! 知ってたし!! 安立さんに言われるずっと前から自分に才能なんかないの、知ってたしっ!!」

悔しくて、情けなくて、叫んでしまった。
目頭が熱くて、涙がこぼれ落ちる頬の感触も感じた。

「才能がないんじゃない。まだ足りないんだ」

安立さんは静かに訂正する。

「足りなくて結構っ!! 僕は漫画家なんかになるつもりはないですからっ!!」

鞄を掴んで編集部を飛び出した。
背後から詩子さんが僕を呼ぶ声が聞こえたけど関係あるかっ!!

僕は描きたくて漫画なんか描いてた訳じゃない。
妹尾さんと仲良くなりたくて描き始めた、それだけなんだっ!!

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