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僕は絵しか描けない

第2章 個性的な部活動

「ちょっと。ちゃんとついていくから鞄返してよ」

「んっ……」

「わっ!? ちょっと!?」

詩子さんは投げて鞄を返してくる。

「スマホとかタブレット入ってるんだからね!?」

抱きかかえるようにキャッチする僕に視線もくれず詩子さんは部室へと歩いていく。

勝手な奴……
やっぱり苦手だなぁ……

僕は美術部にも漫研にも所属していないから部室棟は初めて足を踏み入れる。

漫研の部室看板が見え、自然と歩を緩めた。

しかし詩子さんはむしろ歩く速度をあげて足早に漫研の部室を通り過ぎて行った。

「えっ……!?」

慌てて詩子さんの背中に追い付いた。

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