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僕は絵しか描けない

第2章 個性的な部活動

「漫研、通りすぎたよ?」

「あたし漫研なんかに入ってないから」

振り返りもせず吐き捨てるように言う詩子さん。

「そうなの!? 漫画描くんでしょ?」

「漫研の奴らってなんか嫌。漫画描くより漫画の知識ひけらかしたり、好きな作家の真似ばっかりして。偉そうな癖に作品はみーんなありきたり」

いつもながらの排他的というか、自分だけが正しい的な論調に腹が立った。

「別にいいと思うけどな……好きに描いたら……職業作家じゃないんだし」

「はぁ!? なにそれ? あたしは職業作家を目指してるんですけど?」

ムッとした顔で振り返ると中指をビシッと立てて僕の目の前に突き出した。

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