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僕は絵しか描けない

第12章 未完成のまま、僕は

もう逃げない。

漫画なんて僕の夢じゃないから、なんて負けた時の言い訳も捨てた。

僕は詩子さんの指先となり、漫画を描く。
漫画家になる為に、だ。

昼休みも、放課後も詩子さんと一緒に過ごした。

けど僕は描きかけの作画を詩子さんに見せることはなかった。

詩子さんは見せろとうるさいけど、僕は拒否し続けた。

描き上がってからのお楽しみだ。


「いーじゃん、けち!! 私はパートナーなんだからねっ!!」

「駄目です。ちゃんと出来たら見せますから」

「クロのくせにっ!!」

二の腕に軽くグーパンされるけど無視してやった。

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