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僕は絵しか描けない

第12章 未完成のまま、僕は

僕が、殺したようなものだ。

僕が余計なことを言わなければ詩子さんはあんな夜中にスクーターを飛ばすことはなかった。

明日、朝、会って言えばよかった。

調子にのって連絡さえしなければ。

僕が殺したんだ。
詩子さんを殺した。
僕は人殺しだ。

詩子さんっ……
ごめん。
ごめんなさい。
僕が死ぬから詩子さんを生き返らせて。
お願いします……

神様なんて信じてなかったけど信じます。
信じますから詩子さんを返してくださいっ……

お願いしますっ!!
本当にお願いしますっ!!
なんでもします!!
なんでもしますからっ!!

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