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僕は絵しか描けない

第13章 詩子の日記

○月×日


ひなたが例の『天才絵師』を連れてきた。
黒沢慎二というその天才絵師君の第一印象は『ダサくて暗そう』。

天才君のスケブを見ると無個性で『お上手』な絵が描かれていた。

正直迫力もないし魅力もない。
つまらない絵だ。

けど画力は相当なもんだ。

クラスの見たことある奴の似顔絵もあったが特徴を捉え、その特徴を誇張しながら描いているがやり過ぎてない。

極端なディフォルメをしないで描いてある辺り、器用な奴だなと感じた。

無個性でつまらないということを率直に伝えてやると顔を赤くして怒り始めた。
無気力で言われたら言われっぱなしの奴かと思ったけど絵には多少のプライドはあるみたい。

見た目よりは使えそう。

とりあえず一緒に描いてみることにした。
さんきゅ、ひなた。

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