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僕は絵しか描けない

第3章 信頼関係

「う~ん……」

相変わらず詩子さんは口をおちょぼに尖らせて唸る。

「はい残念。黒沢らしい無個性のモブキャライラストお疲れさま」

嫌みったらしく煽る馬場さんは当然スルーだ。

「悪くないんだけど……」

悩みながら呟いた詩子さんは視線をスケブから僕に移した。

「なんか、こう……迫力がないかな……」

「迫力……」

「抽象的でごめん。なんつーか……う~ん……」

「わかった。書き直すよ」

素直に詩子さんに合わせることにした。

原作者が納得いってないなら仕方ない。

「ごめん……」

「いいよ。詩子さんの作品なんだから」

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