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僕は絵しか描けない

第3章 信頼関係

「おーいっ!! クロー」

駅前につくと既に詩子さんは到着していた。
タンクトップとTシャツを重ね着して、下半身はデニムのショートパンツにド派手ながらのレギンスを穿いている。

何となくパンクバンドの女性ボーカリストを彷彿させた。

「メールの時から気になってたんだけど、そのクロっての、なに?」

「何って黒沢だからクロ。なかなかいいあだ名だと思うんだけど?」

いいか悪いか知らないが安直過ぎる。

なんてことは言えない僕は曖昧に笑った。

「はい。これ」

スケッチブックを渡すと猫のように瞳孔を開き、受け取った。

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