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僕は絵しか描けない

第5章 仲直り

童貞脳というのはいじけるのも併発しやすいらしく、翌日は部室にも顔を出さなかった。

世界の隅っこにいるくせにみんなから構われたり気を遣われないといじけてしまう面倒くさい奴だ。

いじけるから更に縮こまり、意固地になって隅に行きたがる。

隅にいけば更にみんなから相手にされずいじける。

悪循環だ。

はじめから詩子さんに相手にされなければ無駄にいじけたり傷付くこともなかった。

詩子さんが構うから僕もいい気になってしまい、無駄にいじける結果になってしまった。

もともとひっそりと暮らしていたのだからそっとしておいてくれればよかったものを。

逆恨みとはわかっていたが自分の言葉に慰められ、より深くいじけたいという欲求には勝てなかった。

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