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僕は絵しか描けない

第5章 仲直り

部活にも顔を出さなくなって三日目。

放課後、妹尾さんは急に切り出してきた。

「黒沢君、あのね……今度の日曜日、よかったら遊びに行かない?」

「……詩子さんと三人で、でしょ?」

いくら間抜けな僕でもそれくらいの判断はつく。

妹尾さんは困ったように笑った。

「詩子、ずいぶん心配してたよ……あの子ああ見えて結構気にするタイプだし、素直じゃないから自分から頭下げるの苦手だし……」

だからって妹尾さんを使うのはどうかと思う。
けどこのままじゃ妹尾さんが気の毒だ。

「いいよ、わかった……」

「本当!? ありがとうっ!」

自分のことみたいに喜ぶ妹尾さんはやっぱりいい子だし、可愛いなとしみじみ思わされる。

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