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僕は絵しか描けない

第5章 仲直り

ケーブルカーなんて小学校の遠足以来に乗る。
それは三人とも一緒だったらしく、少しだけそれぞれの思い出話で盛り上がる。

ケーブルカーで山頂付近に着くと眼下に僕たちの住む街のパノラマが広がっていた。

「うわぁ!! きれいっ!!」

「おい、危ないぞ、ひなた」

妹尾さんが手すりから身を乗り出し、詩子さんがたしなめる。

「きれいだね……」

そっと妹尾さんの隣に立ち、模型のように可愛らしい街並みを眺めた。

僕としては妹尾さんと仲良くなれればそれでいいわけだし、そこは積極的に動いた。

ま、ついでに詩子さんとも仲直りしてもいいけどね。


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