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僕は絵しか描けない

第1章 似顔絵

これだけテンパってるのを見れば説明も不要だろうが、僕は妹尾ひなたさんに片想いしている。

妹尾さんとは高校一年の時、同じクラスで知り合った。

地味で暗くて友達もほとんどいない僕にも普通に話しかけて、普通に接してくれた。

それだけで僕は恋心を抱いてしまった。

彼女にすれば話し掛けただけでこんな暗い奴に好かれて、親切が仇になったような、いい迷惑なんだろうけど。

そもそも妹尾さんは誰とでも仲良く接する明るい人だ。
ひなたって名前がぴったりの、お日様のように明るくて輝いた人だった。

別に僕だけに特別優しく接してくれてる訳じゃないと知りながらも好きにならずにはいられなかった。童貞だから。


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