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僕は絵しか描けない

第1章 似顔絵

「あ、あのね……黒沢君……」

妹尾さんは滅多に見せないくらいにもじもじしはじめた。

「は、はいっ……」

「放課後……空いてる?」

「放課後? あ、空いてますっ!!」

「よかったら、そのっ……話があるんだけど……付き合ってくれない?」

「……は?」

言葉の意味が理解できないってこういうことを言うんだ、とはじめて知った。

「む、無理ならいいんだけど」

「暇暇暇っ!! がら空きですっ!!」

頭はまだ整理されてなかったけど慌てて返事をした。
心臓が張り裂けそうなくらいにドキドキしながら。

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