テキストサイズ

僕は絵しか描けない

第5章 仲直り

景色の美しさというのは言葉を忘れるが、時間までは忘れない。

一通り眺めてから僕たちは展望台を降りて公園のベンチに座った。

「じゃあお昼にしようか?」

「お昼って……」

「ほら、作ってきたんだよ、お弁当っ!!」

妹尾さんは誇らしげに鞄からお弁当を取り出す。

「ええっ!? 作ってきてくれたの!? ありがとうっ!」

妹尾さんの手料理が食べられるなんて予想もしなかったラッキーだ。

「……はしゃぎすぎだ、クロ」

冷たい口調で詩子さんにたしなめられる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ