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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

漫画を描くという目的は果たしたのだが、放課後は何となくサブカルチャー研究会の部室に足が向いてしまう。

「お疲れ様です」

声をかけながら部室に入ると天敵馬場さんが難しい表情でイーゼルに立てたキャンバスのに向かっていた。

僕の声がしても振り返りもしない辺りが彼女らしい。

どんなものを書いてるのかと覗いて声を失った。

大聖堂を描いているようだったが、全体が炎のように揺らいでいた。

一つ一つはしっかりとした構図、デッサンなのだが、うねり、揺らめいているので見ているものに不安定感を与える。



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