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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

不気味で、恐ろしく、不穏な感じが見るものの心を揺さぶる。

色はまだ塗られていない。

この不思議なカテドラルに自分ならどんな色を塗るだろうか?

馬場さんの異端の才能をまざまざと見せつけられた気持ちになり、怖くて僕は目を背けた。

「おー、クロ」

奥で漫画のネームを書いていた詩子さんが顔をあげる。

「またネーム書いてるんですね。いいのが浮かんだんですか?」

「まぁねー。私どんどん思い付いちゃうから。上がったら読んでね」

「もちろんだよ」



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