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僕は絵しか描けない

第7章 僕の失恋

普段は恥ずかしくてまじまじと見れない妹尾さんの顔を堂々と凝視していい免罪符を手に入れた。

僕は遠慮なく、真っ正面から妹尾さんの顔を見詰めた。

妹尾さんは決してとびきりの美少女ではない。

目は大きい方ではないし、鼻も低い。
よく笑う口は大きいけど、歯並びがすごくきれいというわけではない。

けれどそれらのパーツが集まるとなんとも言えない愛くるしいものとなる。

内面の明るくて別け隔てなく接する綺麗な心が写し出されているかのようだ。

もちろん惚れた贔屓目は多分にあるんだろうけど。

三日で飽きる美人でもなければ三日で慣れるブスでもない。

見るほどに可愛く感じる素朴で味わいのある可愛さだ。

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